2021年7月13日 (火)
熊本県熊本市東区桜木にある歯医者
せき歯科クリニックより事務長です。
自分の歯を失う原因はたくさんあります。
虫歯だったり、歯周病だったり、歯の根が割れてしまったり、事故などで歯が折れてしまったり…
望んで歯を失う人は、役作りの為に奥歯を抜いた松田優作以外ほとんどいないと思います。
歯を失った後にやってくるのが、どの治療にするのかの選択です。
ノーベル賞受賞の山中教授のips細胞で人体の再生医療の研究はされていますが、現在の医療技術では、自分の歯を再生する事はできません。
そこで登場するのが、①ブリッジと②入れ歯と③インプラントです。
①ブリッジは日本語で言うと『橋』です。その名の通り、亡くなった歯の部分の両側の横の歯を削って橋渡しの様に歯を作る治療です。
メリットとしては、取り外し式の入れ歯とは違い、今の歯に装着するので見た目に歯が無い事が分かりにくいという事があります。
デメリットとしては、両サイドの歯が健康な歯であっても削らないといけない事と、両サイドの歯にかかる嚙む力が1.5倍になり両サイドの歯の寿命を極端に短くしてしまう恐れがあります。個人差や両サイドの歯の神経があるのかないのかで変動はありますが数年~10年後位には両サイドの歯が悪くなって抜歯をしなくてはいけなくなる事を覚悟しないといけません。その時はブリッジでは治療できずインプラントか入れ歯という選択肢のみになる事も多いです。
②入れ歯は昔からおじいちゃんおばあちゃんが付けているイメージがあると思いますが、取り外しのできるピンク色の歯茎もついている歯茎にとせて使う歯の事です。
メリットしては、取り外しができるので清掃が簡単であるという事。
デメリットは、口の中に異物感があり、食べ物がおいしくなくなるという方が多い。噛む力も極端に落ちます。また、入れ歯という見た目も抵抗がある方がいます。
③最後にインプラントですが、歯がはえていた骨に直接人体に害のない人工歯根を入れてその上に人口の歯を作るものです。
メリットは、自分の歯と見た目もほとんど変わらず、噛む力も遜色ないぐらいあります。
デメリットは、保険外の非常に技術がいる治療になる為に高額になるという事と、骨に人工歯根を入れるので、最終の歯を入れるまで個人差もありますが4カ月ほど要するという事です。
さて、それぞれの特徴は述べましたが、今回は噛む力に注目してみます。
今あるご自分の歯の嚙む力を100%とすると、ブリッジは70~80%、入れ歯は20~30%、インプラントは80~90%と言われています。
前後するのは、残っている歯の状態などによって変わってきます。
残念ながら、今の技術で自分の天然歯に勝るものは存在しません。ただ、インプラントとブリッジは今まで通り遜色なく食事ができるレベルです。入れ歯の感覚を想像するには、今、マウスピースを口に入れてそのまま食事をするという感じです。そして、歯が無いわけですから噛む力は30%まで落ちると想像してください。私は極力入れ歯は避けたいです。
では、インプラントとブリッジですが、ブリッジは健康な歯も削らないといけない、しかもその歯に今までの1.5倍以上の力が加わり、その力も真上から垂直にかかるのではなく、歯が無い方向に引っ張られる様にかかるので寿命が短くなります。隣の歯まで無くなるとブリッジでは対応できなくなり、入れ歯かインプラントの選択になります。当初一本で良かったインプラントが倍の2本(両側ダメになったら3本)になり、しかも健康な歯も早く失ってしまうと思うと、必然的に初めからインプラントしておけば料金も安かったとなるのです。
選択は、その時の経済状況や時間が取れるのか、手術自体に抵抗があるなどさまざまな事情がありますので、その方の人生において何が正解かは私にはわかりません。
ただ、間違った情報の元で間違った選択はしてほしくありません。
インプラントに限らず、歯科の治療は非常に難しいものです。一本の歯を診てその歯を治せば良いものばかりではなく、お口の中全体を見てその一本が正しく機能する様に作り上げていかないと、せっかく高い治療をしたのに不具合があったり、長持ちしなかったりします。
きちんと勉強をしているドクター選び、正しい情報からの治療選びが重要になります。
また、それを実現できるスタッフと歯科医院でありたいと思います。
今回は文章だけになり読みにくかったと思いますが、最後まで読み進んでいただきありがとうございました。