2020年2月27日 (木)
熊本県熊本市東区桜木にある歯医者せき歯科クリニックから事務長です(#^.^#)
さて院内技工シリーズですが、今回からいよいよ補綴物の製造工程の紹介です!(^^)!
まずはやはりオールセラミックからです。
オールセラミック…つまり全部がセラミック(陶器)で出来ている補綴物です。
保険のクラウンは金属もしくはレジン(プラスチック)で出来ています。実はプラスチックは水分を非常に多く吸収します。そして傷付きやすい素材です。プラスチックのお皿と陶器のお皿で比べてみるとわかり易いと思いますが、プラスチックのお皿は使う毎に傷が付き変色もしていきますが、陶器のお皿はほとんど変わらないと思います。プラスチックは水分と共に汚れも吸収してしまうので変色していくのです。もちろん菌なども一緒に吸収します。金属にしても、日本の保険で使われている金属は戦後の貧しい時代に『代用合金』として使われて、今もそのままそれが使われています。正直に言いますとあまり身体に良くないものです。
戦後から今までそんなに騒がれてこなかったから大丈夫でしょ…という考え方もありますが、何十年も身体の調子が悪かった人が、歯の金属を外してみたら体調が良くなって調べてみたらアレルギーだったという事例もあるように、みなさんご存じでないから気付いていないという事があるのではないかと思います。
前置きが長くなりましたね…それでは製作工程を見ていきましょう。
まずは形作り(形成)です。保険では値段が決められているので使える時間に限りがありますが、保険外の治療では理想の形まで保険の治療で使う時間の倍以上の時間をかけて作り上げていきます。
形作りをした後は仮の歯が入ります。この写真実は仮の歯です。院内技工だからこそ精密で綺麗な仮の歯を入れる事が出来ます。実は仮の歯の期間は非常に重要です。仮の歯を何回も修正し、患者さんと相談しながら理想的な形を作り上げていき、歯肉に異常が発生しないかなど仮に試していきます。非常に重要なのに、保険ではこの値段は存在しません。再診料に込み(500円位)という何とも歯科医院泣かせのシステムになっています。自費診療では仮の歯といえどもきちんと料金を頂き、じっくり時間をかけて治療をしていく事が出来ます。
次に型どり(印象)です。こちらも保険の決められたピンクの材料(寒天・アルジネート)ではなく、より精密に型が採れるシリコンを使います。なかなか外れなくなるほどピタッと密着した精密な型を採る事が出来ます。
次は色合わせ(シェード)です。当クリニックでは、技工士が直接患者さんの口の中を拝見し、一緒に鏡を見て、根元の色や明るさから先の透明感の出し方や隣の歯などとの関係を患者さんと相談しながら細かく決めていきます。保険のプラスチックは十数色の決められた色で簡単なグラデーションになりますが、オールセラミックの材料はそれだけで50種類以上の色があり、それを細かく混ぜていく事により無限に患者さんの歯に近づけていく事が出来ます。
そして作成に入ります。まずは芯となる部分ですが、こちらは鹿児島や菊陽町にあります大きな技工所に協力してもらい作ります。精密に採った型で作った模型に何千万円もする機械で削って貰った精密な芯を作ってもらいます。当クリニックで何千万ものマシンを買ってしまうと元が取れないので、ここは専門の技工所に任せます。実は模型の石膏も保険用のものと保険外のものでは硬さなど違うのもが使われます。
出来上がってきた芯に下準備をし、何回か焼き上げてから、セラミックの材料の粉を少しずつ色を混ぜて層によって変えながら筆で盛り上げていきます。
やっては修正を繰り返して何時間もかけて1本の歯を盛り上げます。
焼くと縮みます。これはまだ内側の層です。だいぶ歯の色や形になってきました。
表面の層を盛り足して焼き上げ、削って形を整え、研磨すると出来上がりました。焼き上げても巣が入っていたり、色が微妙にずれていたりでやり直したりします。ステイン法といって、焼きあがったものに色を付ける事もあります。
治療前が左で、治療後は右の写真です。
どうですか??
ご自分の歯と自然にマッチしていますよね。
保険外はなぜこんなに高いんだ??と思われる方
これだけの手間暇で納得いただけますか??
見えない所でまだまだ先生の日々の勉強による技術力・技工士さんの日々の勉強による技術力、他のスタッフの協力などなどすべてが詰まって出来上がっています。
長々と付き合って頂きありがとうございます。
でも、裏側を見るのもなかなか面白いですよね(*^^*)
では、また