せき歯科クリニックブログ

都風俗化粧伝👄

2021年9月5日 (日)

熊本市東区桜木の歯いしゃさん せき歯科クリニックの歯科衛生士です。

9月に入り朝夕はいくらか過ごしやすくなってきました。

とはいえ、日中の暑さはまだまだ厳しく、冷房の室内で過ごす おうち時間 はもう少し続きそうです。

 

今回は、「ファッション」について✨✨

といっても現代のそれではなく、江戸時代の美についてのお話です。

美しいと感じる美の基準は時代によって変わります。お口に関していうと、歯の色がそうかもしれません。

「都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)」という今でいうところの総合ファッション誌が出版されたのは江戸末期の文化10年(1817年)。 その序文には、

「たとえ醜き顔容、あるいは いかほどあしき難癖ありとも、この書を得て その法のごとくみじまいなし給わば~百媚百矯をそなう美人となさしむることなんのうたがう処かあらん~」 とあり、

その中身は、お肌や髪のお手入れ、化粧テクニック、髪型、帯のアレンジ術、身だしなみ、マナー術等々ファッション全般にわたって具体的に記述したレベルの高い内容でした☝️

さて、この本の中に お歯黒コーナー がありました。

「かねをつけんと思うまえ、けし炭にて歯を静かにすりよくみがきて下地のかねをよく去り落とし、歯の間のかすを去りてのちかねをつくればよく付きて光沢あり」

つまり、「しっかり歯みがきしてから お歯黒を付けなさい」ということですね😁

江戸時代、お歯黒は既婚女性の身だしなみとされていました。 黒は他の何色にも染まらないので、

「貞女二夫にまみえず」すなわち、貞節の証と考えられ、夫に対する貞節を説く儒教の教えにかなった化粧法といえます。

私個人としては、「あなたの色に染まりたい❤️」から 白 の方がいいと思うのですが…江戸ファッション深いです。

 

さて、このお歯黒にルーツを持つ薬品が現代の歯科医療の現場にあるのをご存知でしょうか?

その名も「フッ化ジアミン銀」❗️「サホライド」とも呼ばれますね☝️

まだ治療が難しい小さいお子さんの乳歯のムシ歯に使用することが多く、塗布するとムシ歯の進行を遅らせる効果があります。また、お歯黒と同じように塗布した部分が黒く染まります。

奈良時代から続くといわれるお歯黒。ムシ歯予防効果を知ってか知らずか 日本の習俗として明治初期まで続きやがて廃れます。しかし、お歯黒をした歯にほとんどムシ歯が無いことに着目!現代の歯科医療に欠かせない薬品として研究開発がなされるのです👏

 

今、お歯黒の習慣が残るのは京都。

舞妓さんが芸妓さんへ襟替えをする直前の約2週間は「先笄(さっこう)」という髪型とお歯黒スタイルで過ごします。

ただし、江戸時代のお歯黒(カネ)とは違い着色した蝋を溶かして歯に塗るので、エナメル質を黒く染めることはないそうです。

 

さて、当院では歯のホワイトニングを行っておりますが、ファッションとしてのお歯黒は行っておりません。あしからず、ごめんください。

コロナの感染拡大が続いています。皆様、ご自愛専一にてお過ごしください🍀

 


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せき歯科クリニック

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