2014年12月20日 (土)
「二次う蝕」という言葉を聞いたことがありますか?二次う蝕とは、虫歯を削って詰め物や被せ物や被せものをするなど一度は治療したのに、しばらくたってまた虫歯になってしまうことです。なぜこのようなことになってしまうのでしょう。
主な原因をいくつか挙げると、
①最初に虫歯になった原因がそのままである
②詰め物や被せものの材質や精度の問題
③大きな虫歯なのに削る範囲を少なくしすぎている、などです。
まず①についてですが、虫歯に対して治療するだけで安心してはいけません。なぜ虫歯になったのかを考えてください。歯磨きは治療前よりもきちんとできていますか?歯ブラシだけではなく歯間ブラシやデンタルフロス等の補助用具を使用していますか?虫歯になりやすい食習慣を改善しましたか?虫歯になる原因はひとそれぞれでことなります。予防を意識して様々なことを改善することが大事です。
次に②についてです。お口の中は常に水分にさらされ、熱いものや冷たいものなどによる急激な温度変化があり、噛むときに歯にかかる力は数10キロで、しかもその回数は一日2千回にも及ぶという大変過酷な環境なのです。そしてさらに虫歯菌や歯周病菌を含めたくさんの細菌が生息しています。当院では、型を取る前に材料を含めた治療に関する情報を詳しく提供しています。詰め物や被せものに使う材料や治療内容を選択する際には、自分の体の一部になるものとして、真剣に検討してください。見た目が自然で、削った部分にぴったりと合う精度を持つこと(虫歯菌の大きさレベルで)、耐久性に優れていること、歯垢がつきにくいこと、体に害がないことなどの性質を備えたものが優れた材料で二次う蝕にもなりにくいといえます。
最後に③についてです。歯を削る範囲は少ないに越したことはありませんが、虫歯が大きい場合は健全な強い部分の歯質が少ないので、広く削って補強しなければ、残った歯質の弱い部分から細かい亀裂が入り、そこから二次う蝕になってしまいます。歯を削ることが逆に歯を守ることになる場合もあるのです。
虫歯の治療の繰り返しから抜け出し、健康を維持するためには、皆さんが予防の意識をしっかりもって、そのために必要な努力をすることと、そしてそれに必要な投資をすることが大事です。
私たちは皆さんが健康であるために、精一杯日々の歯科医療に取り組んでいきたいと考えています。
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