せき歯科クリニックブログ

お口の中もデジタル化へ🤖第一弾🤖

2022年3月30日 (水)

おはようございます! 熊本東区桜木にある歯医者

せき歯科クリニック 歯科技工士野口です。

日常生活でも様々なデジタル化が進む中、歯科医療もどんどんデジタル化が進んでいます!

今回はその中でもお口の型取りのデジタル化についてご紹介していきます。

その名は「プライムスキャン」!!!✨

 

 

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従来の型取りではグニュッとした材料をお口のなかに入れてその材料が固まるまでに長時間が必要で、不快感を感じる場合もあり苦手な方もいます。

当院ではその型取りをプライムスキャンという口腔内スキャナを使ってお口の中を撮影することにより、今までより不快感を感じなくなり、短時間での型取りが可能になりました。

 

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実際に口腔内スキャナを用いた型取りを行った患者様も「すごい!!きつくなかった!!」「もう終わったの!?」というお声をいただいています。

お口の中を3Dデータに変換し、パソコン上でセラミックの被せ物や詰め物を短期間で作ることが出来るようになりました。

ここでいうセラミックとはラミネートベニア、オールセラミッククラウン、セラミックインレーなどです。

既存の作り方では模型の変形など様々な問題が生じていましたが、それをデジタル化することによってより精密な被せ物や詰め物が作れます。

次回第二弾からプライムスキャンについてもっと詳しくご紹介していきます!

乞うご期待!!

 

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ロシアの侵攻と歯科への影響

2022年3月7日 (月)

熊本県熊本市桜木にある歯医者から事務長です(#^.^#)

寒さもだんだん緩んできて、春の花々が咲いてきていますが皆様いかがお過ごしでしょうか??

新型コロナの終息も見えない中、毎週日曜日は家族を連れて人気のない田舎の公園や山川に行き自然とのふれあいで遊ぶ事が多くなりました。

そんなありふれた日常が今ロシアのウクライナ侵攻によって破壊されています。18歳以上の男性は国を守る為に国境を超える事は出来ずに、家族を見送り、兵士として国内に戻っています。その父親との別れを悲しむ子供達の動画を見る度に悲しく心に突き刺さるものがあります。そして、その事をどうする事もできない自分の無力感にも苛まれます。

そして、こう思うのです『もし、ロシアと中国が北海道と沖縄に侵攻してきたら⁇』と…

遠いウクライナで起きている事なので、日本人にはあまりにも無関心の人が多いのではないでしょうか…

では、今起きている歯科界での一番身近な日本人への影響を紹介します。

何と言っても、金とパラジウムの高騰です。

金は『有事の金』と言われるほど、国際紛争などが発生した時でも間違いない資産として重宝される為に高騰しているのは皆さんご存知だと思います。

パラジウムは皆さんあまりなじみがないと思いますが、保険診療で使われる銀歯と言われている金属や車の触媒やコンピュータの基盤に使われています。その産出国がロシアなのです。

パラジウムの取引価格は金の約1.5倍の値段です。元々パラジウムの精製工場が国際取引で訴訟を起こされていて生産できずジワジワ上がって来たところにロシア侵攻が起き、価格が急上昇しています。

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もしかしたら、これから調達困難となり、

・自動車生産がまた遅れるまたは生産ができなくなる。

・現在遅れている基板の生産が今よりも遅れて、電化製品が全く作れなくなる。

・銀歯による治療の価格の大幅な高騰もしくは治療困難になる。

という事が起こるかもしれません。

歯科業界では少しずつ脱金属の流れができていますので、保険診療でも金属を使わない治療が増えて来ると思いますが、完全に移行するまでは治療価格の上昇は避けられないと思います。

歯科業界の金属という極めて狭い範囲でもこれだけの影響を受けて、みなさんの生活を不利益にしていると考えると、もっと広い業界のもっと広い分野での影響を考えると、間違いなく戦争は全世界にとって不利益です。

もちろんロシアにとっても不利益です。

無関心をやめて、もっと勉強して、政治にもきちんと関心を持ち、政治家をコントロールして行ける様に国民みんなが意識を持って行動していかなければいけない時に来ていると思います。

小さかった昭和時代におじいさんから『ロシアだけは信じるな!!』と言われた言葉が、平成を超え令和の時代になった今でも何も変わらず適応されている事に驚きます。

中国がこれからどう動くか分かりませんが、自分の利権利益だけで動くのではなく、資源や産業でロシアや中国に依存しない世界経済を少しずつ作り上げていかないといけないのかなと考えさせられる今日この頃です。


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院内技工 《保障について》

2022年1月31日 (月)

熊本県熊本市桜木にある歯医者せき歯科クリニックから

こんにちは。事務長です😁

さて、今回は当クリニックの治療保障制度についてのご案内です。

保険の治療については、同じ病院で治療を受けるならば、クラウン(いわゆる銀歯とCADCAM冠等)とブリッジ(抜いたりして無くなった歯の所を橋渡しして作る銀歯等)には2年間の保証義務があります。※Setした時に『クラウン・ブリッジ維持管理料』を算定している場合に義務あり。

一方で保険外診療については、それぞれの病院で内容や期間にばらつきがあります。

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当クリニックで独自に行っている自費治療の保証はインプラントも補綴物も同じで

 

保証会社   なし(当クリニックによる)

期間     3年間

保証金額   Setした補綴物の修理または再作成(現金での返金などは基本的に行いません)

保証料    無料

補償範囲   Setした補綴物に限る。※Setした歯への保証ではない為、歯が悪くなっての治療代は補償対象とならない。

というものです。

そして、ここからが当クリニックの他院との違う所で、外部の第三者の保証会社の保証というものを患者さんの選択制で加入する事ができます。

 

保証会社   ㈱ガイドデント

期間    補綴物5年間  インプラント10年間(10年後にさらに10年延長プランも登場)

保証金額  補綴物5万円プラン・10万円プラン  インプラント本体20万円・上部構造10万円計30万円

保証料   Set時に10,000円~18,000円(税別)

補償範囲  Setした補綴物とその歯自体への補償

というものです。

ガイドデントのホームページはこちら⇓

国内初の歯科治療保証会社 ガイドデント (guidedent.net)

最大の特徴は、補償範囲が補綴物の範囲内だけではなくて、Setした歯全体に及ぶ事です。

これは、かなり画期的で私達業界人には衝撃的です。

治療した歯というのは、正常に生えている天然の歯よりも弱くなっているのが普通なので、歯が折れてしまったりして抜かないといけなかったりする事が意外とあります。しかし、これは治療がどんなに上手くいったとしても起きてしまうので、歯に対する補償を行わないのが今までの歯科医院の常識でした。それを保証してくれるのです。

つまり、抜歯となってインプラントをしたいとなっても次のインプラント治療代に10万円を充てる事ができるのです。

治療の補償には同じ補綴物をSetするという従来の常識を大幅に覆した画期的な保障システムなのです。

ガイドデントは第三者の保証期間という事もあって、信頼できる歯科医院を独自の審査項目によって審査して認定しています。そうでないと再治療の保証ばかりが膨らみ会社として成り立たないからです。

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令和4年1月現在で、2200件超の歯科医院が認定を受け、68000件超の治療が保証登録されています。今現在もどんどん増えて行っている状態です。

保障に加入すると、認定を受けている歯科医院でどこでも同じ保証が受けられるので、転勤などでお引越しが多い人でも安心して補償に加入できます。

引っ越しなどした時は、ガイドデントに連絡して近くの認定歯科医院を教えてもらう事ができます。

アメリカなど、皆保険制度が無い国では一般企業の保険が存在し、歯科医院にランクが付いていて、ここの歯科医院では保険が使えるけどこっちでは保険が使えないなど第三者の目が光っています。

日本では国民皆保険制度があり、どこに行っても同じ治療が同じ値段で受けられます。それは素晴らしい制度なのですが、そのせいで第三者のチェックがかからず治療の範囲が狭まっているのも確かです。

第三者の目がちゃんと入っている当クリニックを選んで頂き、ガイドデントの保証に入って安心した治療後の生活を送られる事をお勧めします。

 


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院内技工《義歯修理》

2021年12月27日 (月)

熊本県熊本市東区桜木にある歯医者せき歯科クリニックから

こんにちは 事務長です。

忙しい年の瀬になりましたね。みなさん忙しくお過ごしの事でしょう。

今年の診療は明日12月28日までで年始は1月5日より始まります。

連休中に何かあった時は、休日当番医へ応急処置に行かれて下さい。

休日当番医 | 一般社団法人 熊本県歯科医師会 (kuma8020.com)

さて、今回の院内技工のテーマは義歯修理です。

義歯の修理と言っても色々あります。

・義歯の床の部分(ピンク色の所)が割れて(欠けて)しまう。

・人工歯(歯の部分)が欠けたり外れてしまう。

・クラスプ(金属でできた、自分の残った歯に義歯をひっかけている部分)やバー(金属でできた口の中の右と左をつなぐ部分)が外れる。

・クラスプやバーそのものが折れてしまう。

などです。

最初の3つは材料さえあればその日のうちに修理する事も可能ですが、写真の様に金属が折れてしまっていると、型撮りをして金属の部分を新しく作らないと修理できません。img_7326-thumb-200x133-927

それ以外は院内技工の技の見せどころです。

患者さんの義歯を預かってから、ヒビや欠けをピンク色の樹脂で直したり、同じ色の人工歯を付け替えたりします。患者さんが居なくて良いかというと、元の位置が分からないと付けらえない為、ご家族が義歯だけ持って来ても修理はほぼほぼできません。ただ、修理ができると判断できた後は、修理が出来上がるまで外出されても大丈夫です。最後にSetしてドクターが調整して終わりです。

院内技工の為、他の患者さんがいっぱい居ても修理ができ、技工士が居ない所より早くできるのがうちの強みです。

技工士が居ない場合は数日間お預かりする所もあります(もちろんドクターがその日のうちに修理してくれる所もいっぱいあります)。

当クリニックでも、金属床やキレイデスなどの特殊な義歯の場合は一週間ほどお預かりの時もあります。

まずは、初めての方などは診てみないとすぐに治せるかは分かりませんので、電話で『すぐ治せるの??』と聞かれてもお返事する事は出来ませんのでご了承ください。

それでは、よいお年をお迎えください。

事務長 関 直樹


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院内技工 インプラントという選択

2021年7月13日 (火)

熊本県熊本市東区桜木にある歯医者

せき歯科クリニックより事務長です。

自分の歯を失う原因はたくさんあります。

虫歯だったり、歯周病だったり、歯の根が割れてしまったり、事故などで歯が折れてしまったり…

望んで歯を失う人は、役作りの為に奥歯を抜いた松田優作以外ほとんどいないと思います。

歯を失った後にやってくるのが、どの治療にするのかの選択です。

ノーベル賞受賞の山中教授のips細胞で人体の再生医療の研究はされていますが、現在の医療技術では、自分の歯を再生する事はできません。

そこで登場するのが、①ブリッジと②入れ歯と③インプラントです。

①ブリッジは日本語で言うと『橋』です。その名の通り、亡くなった歯の部分の両側の横の歯を削って橋渡しの様に歯を作る治療です。

メリットとしては、取り外し式の入れ歯とは違い、今の歯に装着するので見た目に歯が無い事が分かりにくいという事があります。

デメリットとしては、両サイドの歯が健康な歯であっても削らないといけない事と、両サイドの歯にかかる嚙む力が1.5倍になり両サイドの歯の寿命を極端に短くしてしまう恐れがあります。個人差や両サイドの歯の神経があるのかないのかで変動はありますが数年~10年後位には両サイドの歯が悪くなって抜歯をしなくてはいけなくなる事を覚悟しないといけません。その時はブリッジでは治療できずインプラントか入れ歯という選択肢のみになる事も多いです。

②入れ歯は昔からおじいちゃんおばあちゃんが付けているイメージがあると思いますが、取り外しのできるピンク色の歯茎もついている歯茎にとせて使う歯の事です。

メリットしては、取り外しができるので清掃が簡単であるという事。

デメリットは、口の中に異物感があり、食べ物がおいしくなくなるという方が多い。噛む力も極端に落ちます。また、入れ歯という見た目も抵抗がある方がいます。

③最後にインプラントですが、歯がはえていた骨に直接人体に害のない人工歯根を入れてその上に人口の歯を作るものです。

メリットは、自分の歯と見た目もほとんど変わらず、噛む力も遜色ないぐらいあります。

デメリットは、保険外の非常に技術がいる治療になる為に高額になるという事と、骨に人工歯根を入れるので、最終の歯を入れるまで個人差もありますが4カ月ほど要するという事です。

さて、それぞれの特徴は述べましたが、今回は噛む力に注目してみます。

今あるご自分の歯の嚙む力を100%とすると、ブリッジは70~80%、入れ歯は20~30%、インプラントは80~90%と言われています。

前後するのは、残っている歯の状態などによって変わってきます。

残念ながら、今の技術で自分の天然歯に勝るものは存在しません。ただ、インプラントとブリッジは今まで通り遜色なく食事ができるレベルです。入れ歯の感覚を想像するには、今、マウスピースを口に入れてそのまま食事をするという感じです。そして、歯が無いわけですから噛む力は30%まで落ちると想像してください。私は極力入れ歯は避けたいです。

では、インプラントとブリッジですが、ブリッジは健康な歯も削らないといけない、しかもその歯に今までの1.5倍以上の力が加わり、その力も真上から垂直にかかるのではなく、歯が無い方向に引っ張られる様にかかるので寿命が短くなります。隣の歯まで無くなるとブリッジでは対応できなくなり、入れ歯かインプラントの選択になります。当初一本で良かったインプラントが倍の2本(両側ダメになったら3本)になり、しかも健康な歯も早く失ってしまうと思うと、必然的に初めからインプラントしておけば料金も安かったとなるのです。

選択は、その時の経済状況や時間が取れるのか、手術自体に抵抗があるなどさまざまな事情がありますので、その方の人生において何が正解かは私にはわかりません。

ただ、間違った情報の元で間違った選択はしてほしくありません。

インプラントに限らず、歯科の治療は非常に難しいものです。一本の歯を診てその歯を治せば良いものばかりではなく、お口の中全体を見てその一本が正しく機能する様に作り上げていかないと、せっかく高い治療をしたのに不具合があったり、長持ちしなかったりします。

きちんと勉強をしているドクター選び、正しい情報からの治療選びが重要になります。

また、それを実現できるスタッフと歯科医院でありたいと思います。

今回は文章だけになり読みにくかったと思いますが、最後まで読み進んでいただきありがとうございました。


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院内技工 院長

2020年7月17日 (金)

熊本県熊本市東区桜木にある歯医者せき歯科クリニックから

こんにちは事務長です。

『院内技工』『院内技工』と言って、歯周病治療の大切さからセラミック等の作り方を発信してきましたが、実は一番大切なピースを忘れていた事に気付きましたのでお伝えします。

それは院長です…(^-^;

院内技工で技工士が皆様の新しい歯を作りますが、そこでなぜ院長が重要となるのかというと、院長がゴールを設定しているからです。

患者さんのお口の中を十分に把握し、今まで勉強した事、経験、研修会、先輩医師の助言などをフルに使ってお口の中全体のゴールを設定します。

はっきり言いますと、出来ない歯科医師は1本の歯しか見ていません。全体の口腔状態を把握できず1本の歯の治療しかできません。その1本を治療して満足してしまいます。

それでは後々他の歯に不具合が出て来たり、全体の崩壊を止める事が出来ず、せっかく治した歯を失ったりしてしまいます。

当クリニックの院長は、世界的に会員が多数いるSJCDという勉強会のグループに所属し、熊本県の理事をしています。

考えが一つに固まらない様にその他にもあすか会という勉強会の会長をしたり、顎咬合学会や歯周病学会、インプラント学会など様々な学会にも所属し、常に進化し最新の治療を追い求めています。

弟である私が言うのもなんですが、超勉強熱心です。勉強会グループの中でも1番と言える勉強熱心です。

まあ、歯科治療が本当に好きなんでしょう。。。

全国の顎咬合学会での発表では優秀発表賞も頂き、コロナが無ければ今年行われるはずだったSJCDの全国大会の熊本代表の発表者にも選ばれています。

かといって大学の研究者の様に研究ばかりではなく、治療を生かして発表して、発表を生かして治療をしてどちらも常に進化をしています。

 

そんな院長が設定したゴールがあるからこそ、受付はバランスよく予約を取り、助手は患者さんに寄り添い最善の治療を提案し、衛生士は歯周病をしっかり治し患者さんのブラッシング力を向上して、技工士は全体のバランスを考えた補綴物を作り、ドクターが治療計画から仕上げを行うというチーム医療が完成するのです。

建物や診療台などははだんだん古くなってきていますが、中身の診療は常に進化し続けています。

機械なども予算の許す限り最新の治療に必要なものを揃えていっています。

院長が『まだまだ僕よりすごい先生がいっぱいいる。僕はまだまだだ。』と言っているうちは、良い治療を提供し、進化し続ける事が出来ると確信しています。

『もうこれで良いかな』と思ってる人からはこんな言葉は出てきませんから…


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院内技工 メタルボンドクラウンの作り方

2020年6月8日 (月)

熊本県熊本市東区桜木にあります歯医者せき歯科クリニックから事務長です(#^.^#)

さて今回は院内技工シリーズから『メタルボンドクラウン』です。

まずはおなじみ精密シリコン印象(画像は省きます)

221160 221156 221158 221159次に内側の金属部分を作って行く為にワックス(蝋)で形を作っていきます。

メタルボンドクラウンでは内側の金属の外にセラミックを盛るという構造になる為、理想的な形を作った後にセラミックの分だけ削り取っていくという作業になります。

完成後の強度にもかかわって来るのでデザインや厚みなど細心の注意が必要です。

当医院の金属部分の設計も勉強会や試行錯誤から、見た目や強度のバランスを考え今はこの形に至っています。

221153 221151 221147鋳造して研磨して内側の金属が出来上がったところです。

221150 221149そこにセラミックの粉を盛り上げていき何度も焼いて色形共に仕上げていきます。

金属にきちんと定着する特殊なセラミックを使っています。

また、オールセラミックとは違い内側が金属なために透過性がありません。

そこで、暗い色を使ったりして疑似的に透明に見えるような特殊な色使いをして、トリックアートの様に透けているように見せたりします。

221144 221143最終焼き上げをして研磨すると出来上がりです。

金属とセラミックで膨張率が違ったり温度管理がうまくいかないと変形したり、金属からガスが出てセラミック部分に悪さしたりなかなか神経質な所のある材料です。

以前はオールセラミックよりも強度が強く値段も抑えられた為、特に臼歯部(奥歯)では多く使われていました。

今では以前のセラミックより強度のあるフルジルコニアが出てきた事もあり、取り扱いをやめてしまう病院もあります。

しかし、インプラントの上部には相性が良かったり、院内技工の当医院では技工士が直接患者さんの口で色や形を確認できるという強みもあり、まだまだ現役で根強く残っています。

 

今、人間の仕事はロボットに代わってきています。

芸術の世界でもAIが手塚治虫の新作キャラを書いたり、目覚ましい発展を遂げているロボット・AI業界ですが、まだまだ技工の世界では人の方が勝っているのが現状です。

ロボットによる削り出しマシンや3Dプリンターもありますがまだまだ精密さに欠けています。

ロボットの部分と人の手による精密な仕上げ部分をうまく使ってバランスよく分業していく事で良いものができると思います。

4月から、福岡でそのロボットを使っている大きな技工所で働いていた技工士が新たに入社しました。

同じ機械でも個々で癖があり同じ設定では良いものが出来ません。天気や湿度などで左右されたりもします。

結局のところ良い機械も操作する人間の力量が左右するのです。

良いものを、人間も進化しながら導入発展していこうと考えておりますので、これからもよろしくお願いいたします。


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院内技工 e-maxインレーの作り方

2020年4月1日 (水)

熊本県熊本市東区桜木にありますせき歯科クリニックから事務長です。

新型コロナウイルスが猛威を振るい、大変な日々をお過ごしと思いますがいかがお過ごしでしょうか??

患者さんからも『コロナ大変だろ??』という声をかけて頂きます。

実は歯科医院はやってる事はほとんど変わりません。エイズだったり肝炎だったり歯科医院で感染する可能性があるものは普段から対策をしているのでコロナウイルスだろうと診療に関してはやっている事は全く同じです。

少し変わったのは待合室で、

1559こちらも普段から資格を持った感染予防のクリーニング・床ワックスを行っておりますが、プラスして入ってすぐに手指消毒用のスプレーを配置し受付の私がマスクを着用する様になりました。また待合室での密接を避ける為にお車での待機も開始しました。本当は広くとった方が良いのですが物理的に不可能なため、お車で来られている方でご希望の方はお車でお待ちいただけます。

さて、今回は院内技工シリーズのe-maxインレーの作り方です。

セラミックの陶材を金属の様にとかして型にプレスして作るe-maxですが、保険の銀歯の2倍選ばれています。

具体的に言いますと、令和2年2月分で保険の銀歯17本e-max33本です。

221120221122まずはおなじみになりつつある精密印象(型どり)から模型作りです。模型作りは技工士の性格が出ます。綺麗に作らないと良いものはできません。

出来の悪い技工士が作ると模型自体も汚れたり変形したりしますし、まわりのテーブルや服も石膏だらけになります。

221112221123221117次がワックスアップです。患者さんの歯と同じ形の模型にワックス(蝋)で詰め物を作っていきます。

拡大鏡を作って、歯と詰め物の間に隙間ができない様に精密に作っていきます。

221114 221115咬合器で疑似的な噛み合わせを作って何度も何度も形を調整していき理想的な噛み合わせを作っていきます。

出来上がったワックスは模型から外して、埋没材というものに埋めます。

埋没材が固まったら、熱してワックスを蒸発させます。

すると埋没材の中にワックスと全く同じ空間ができます。

そこにe-maxという機械で特殊な陶材ブロックを溶かして圧縮プレスして流し込み固めます。

221110すると、ワックスと同じ形の陶器の詰め物が出来てきます。

それをバリをとったり調整研磨をして仕上げて出来上がりです。

 

毎日技工室に行って話をしたりして思う事があります。

『こいつ変態なんじゃないか??』(^-^;

もしかして、作った歯を見ながらそれをおかずに白いご飯食べてるんじゃないか…

まぁ笑い話ですが、技工士は本当に精密で根気がいる仕事です。歯を作るのが本当に好きでこだわっている変態ぐらいがちょうど良いのかもしれません。

もちろん、変態じゃなくて好青年ですよ!(^^)!

 

ではまた。


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院内技工 オールセラミックの製造工程

2020年2月27日 (木)

熊本県熊本市東区桜木にある歯医者せき歯科クリニックから事務長です(#^.^#)

さて院内技工シリーズですが、今回からいよいよ補綴物の製造工程の紹介です!(^^)!

まずはやはりオールセラミックからです。

オールセラミック…つまり全部がセラミック(陶器)で出来ている補綴物です。

保険のクラウンは金属もしくはレジン(プラスチック)で出来ています。実はプラスチックは水分を非常に多く吸収します。そして傷付きやすい素材です。プラスチックのお皿と陶器のお皿で比べてみるとわかり易いと思いますが、プラスチックのお皿は使う毎に傷が付き変色もしていきますが、陶器のお皿はほとんど変わらないと思います。プラスチックは水分と共に汚れも吸収してしまうので変色していくのです。もちろん菌なども一緒に吸収します。金属にしても、日本の保険で使われている金属は戦後の貧しい時代に『代用合金』として使われて、今もそのままそれが使われています。正直に言いますとあまり身体に良くないものです。

戦後から今までそんなに騒がれてこなかったから大丈夫でしょ…という考え方もありますが、何十年も身体の調子が悪かった人が、歯の金属を外してみたら体調が良くなって調べてみたらアレルギーだったという事例もあるように、みなさんご存じでないから気付いていないという事があるのではないかと思います。

前置きが長くなりましたね…それでは製作工程を見ていきましょう。

%e4%bd%90%e8%97%a4-%e9%ba%bb%e9%87%8c_c16_20191101_095446000まずは形作り(形成)です。保険では値段が決められているので使える時間に限りがありますが、保険外の治療では理想の形まで保険の治療で使う時間の倍以上の時間をかけて作り上げていきます。

%e4%bd%90%e8%97%a4-%e9%ba%bb%e9%87%8c_c04_20191129_121444000形作りをした後は仮の歯が入ります。この写真実は仮の歯です。院内技工だからこそ精密で綺麗な仮の歯を入れる事が出来ます。実は仮の歯の期間は非常に重要です。仮の歯を何回も修正し、患者さんと相談しながら理想的な形を作り上げていき、歯肉に異常が発生しないかなど仮に試していきます。非常に重要なのに、保険ではこの値段は存在しません。再診料に込み(500円位)という何とも歯科医院泣かせのシステムになっています。自費診療では仮の歯といえどもきちんと料金を頂き、じっくり時間をかけて治療をしていく事が出来ます。

215005次に型どり(印象)です。こちらも保険の決められたピンクの材料(寒天・アルジネート)ではなく、より精密に型が採れるシリコンを使います。なかなか外れなくなるほどピタッと密着した精密な型を採る事が出来ます。

%e4%bd%90%e8%97%a4-%e9%ba%bb%e9%87%8c_c04_20191129_121416000次は色合わせ(シェード)です。当クリニックでは、技工士が直接患者さんの口の中を拝見し、一緒に鏡を見て、根元の色や明るさから先の透明感の出し方や隣の歯などとの関係を患者さんと相談しながら細かく決めていきます。保険のプラスチックは十数色の決められた色で簡単なグラデーションになりますが、オールセラミックの材料はそれだけで50種類以上の色があり、それを細かく混ぜていく事により無限に患者さんの歯に近づけていく事が出来ます。

214936そして作成に入ります。まずは芯となる部分ですが、こちらは鹿児島や菊陽町にあります大きな技工所に協力してもらい作ります。精密に採った型で作った模型に何千万円もする機械で削って貰った精密な芯を作ってもらいます。当クリニックで何千万ものマシンを買ってしまうと元が取れないので、ここは専門の技工所に任せます。実は模型の石膏も保険用のものと保険外のものでは硬さなど違うのもが使われます。

215004215006214943214942出来上がってきた芯に下準備をし、何回か焼き上げてから、セラミックの材料の粉を少しずつ色を混ぜて層によって変えながら筆で盛り上げていきます。

214937やっては修正を繰り返して何時間もかけて1本の歯を盛り上げます。

214938焼くと縮みます。これはまだ内側の層です。だいぶ歯の色や形になってきました。

214941 表面の層を盛り足して焼き上げ、削って形を整え、研磨すると出来上がりました。焼き上げても巣が入っていたり、色が微妙にずれていたりでやり直したりします。ステイン法といって、焼きあがったものに色を付ける事もあります。

%e4%bd%90%e8%97%a4-%e9%ba%bb%e9%87%8c_c19_20151030_152935017 %e4%bd%90%e8%97%a4-%e9%ba%bb%e9%87%8c_c11_20191216_112554000治療前が左で、治療後は右の写真です。

どうですか??

ご自分の歯と自然にマッチしていますよね。

保険外はなぜこんなに高いんだ??と思われる方

これだけの手間暇で納得いただけますか??

見えない所でまだまだ先生の日々の勉強による技術力・技工士さんの日々の勉強による技術力、他のスタッフの協力などなどすべてが詰まって出来上がっています。

長々と付き合って頂きありがとうございます。

でも、裏側を見るのもなかなか面白いですよね(*^^*)

では、また


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院内技工 パートゼロ

2020年1月20日 (月)

熊本県熊本市東区桜木にあります歯医者、せき歯科クリニックから事務長です!(^^)!
さて前回の私の投稿から始まった『院内技工シリーズ』ですが、技工物を作るにあたって重要な事がありますので、ちょっと戻って『パートゼロ』としてご案内したいと思います。

%e9%96%a2-%e7%9b%b4%e6%a8%b9_c19_20170228_121807026こちらは私の口の中の写真です。例えば上の一番前の前歯が虫歯で2本被せ物を作らなくてはいけなくなったとして、作る時にまず初めに一番重要な事は何だと思いますか??

前歯の形でしょうか??

色でしょうか??

中心を揃えてつくる事でしょうか??

下の歯とのかみ合わせでしょうか??

補綴物を作る時は家の建築によく似ています。

家を建てる時、形や間取り、色、快適性など色々こだわりがあると思います。

しかし一番重要な事は土地選びです!!

いくらお城のように綺麗で大きく住み心地も快適な家を建てたとしても、沼の上にはみなさん家を建てないと思います。

なぜなら、せっかく建てた家がすぐに傾いたり、場合によっては倒壊するからです。

もし、家を建てようとしている自分の土地が良くないと分かったら、まず土地改良をするか他の土地を探すはずです。

歯も同じです。

歯の土地にあたるものは、歯茎です。歯茎と言っても歯肉の下にある歯槽骨も含めてです。

歯周病になってしまうと、歯肉は腫れて歯を支えている歯槽骨は歯周病菌の影響で溶けてしまいます。そして歯はグラグラしてきて最終的に抜けてしまうのです。

そう、初めの『一番重要な事』の答えは『歯茎の健康』です。

%e9%96%a2-%e7%9b%b4%e6%a8%b9_c19_20170228_121807026もう一度見てみましょう。歯茎はピンク色で引き締まっています。当クリニックではこのような状態で初めて補綴物を作っていきます。

それにより、より長く安定したお口の中の健康を手に入れる事が出来るのです。

pa4c8a5dda5b1a5c3a5c8a4ceb4d8cfa2歯周病は歯の汚れ、歯石が付いている事により進行します。石と書いて歯石ですがその中身は食べ物のカスと唾液が固まり、星の数ほどの菌が存在しています。その菌が出す成分によって骨が溶けていってしまうのです。しかも歯茎の腫れ以外に痛みなどはなく気付かないうちに進行していってしまいます。

歯周病の予防は歯の汚れを取る事…

簡単なようで難しいですよね…

自分の口の中は鏡を使わないと見えません、少し角度を変えようとしても、ん~なかなか見えない…

だから、歯医者さんに行って定期的に見えない所の歯石をとってもらう事が必要なんです。

さて、忘れてました補綴物を作る時でしたね。

正直何十年もほったらかしにされてきた方のお口の中は歯周病でひどい事になっています。

時には歯茎を切開して中の歯石を取らなければならない方も、もう手遅れで歯を抜かないといけない方もいらっしゃいます。

(手遅れの歯をそのままにしておくと、他の歯にも悪い影響を与えてしまうので手遅れの歯は残念ながら抜かないといけません)

でも、そうしてコツコツ歯茎(土地)の状態をよくする事によって素晴らしい長持ちする安心して嚙める歯(家)は上に作ることができるのです。

歯周病治療を行わないなら治療は早く終わりますし、病院としてもどんどん補綴物を入れた方が利益が上がります。

しかし、長く安定したお口の健康の為には、その前の『歯茎の健康』が非常に大事なのです。

なかなか治療が進んでいないような気がして大変ですが、一緒にコツコツ頑張りましょう(*^^*)

今回は院内技工に入る前の歯周病治療を『院内技工パートゼロ』としてご案内しました。


カテゴリー: 事務長,院内技工

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せき歯科クリニック

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【診療科目】 一般歯科・小児歯科・歯科口腔外科・インプラント・審美歯科・矯正歯科・入れ歯(義歯)

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